白馬の千国街道<塩の道(15)

日本海と信州を結ぶ交易路だった千国街道の中でも
白馬村は、荘厳な白馬連峰を仰ぎ見る区間です。

塩の道と呼ばれる千国街道を歩いてきましたが、今回は
JR大糸線・白馬駅付近から松川橋を渡り、北へ向かいます。

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白馬高校の裏道を通って行くと、まだ雪の無い八方尾根スキー場が見えてきます▲
撮影した10月30日、まだ冠雪前の峰々を眺めつつ、松川橋を渡りました▼
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国道148号線沿いを北上して、白馬岩岳スキー場方面に行く道を歩きます▼

白馬村内の「塩の道」は、南から「白馬五竜」「八方尾根」「岩岳」と続く
スキー場のふもとを通って、小谷村へ向かいます。
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新田の集落に入っていくと、「庄屋まるはち」というカフェ・レストランがあります▼
豪商・横澤家の築160年の屋敷を改築した、歴史的古民家です☆
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生活用水路が流れる古道沿いを進むと、水車小屋があります。
この周辺は石仏・道祖神や薬師堂など、多くの史跡が残っています。
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道が何度も折れ曲がるため、古道をたどるのが難しく、3回挑戦して
ようやく経路がつながってきました。
首切り坂と呼ばれているらしい坂を登ります▼
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観音原石仏群があり、187体の石仏が内側を向いて、ぐるりと並んでいます▼
石仏群としては、塩の道随一の場所で、観音信仰の深さと広がりが解る聖地☆
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造立年代は、江戸末期で、西国・坂東・秩父の百体観音が揃っているそうです。
形も大きさもまちまちですが、おだやかな表情に癒されます。
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岩岳の麓を通る塩の道沿いには、現在、「塩の道温泉」があり
民宿やペンションが並んでいます▼
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その先で道が交差して、切久保庚申塚に突き当たります▼
庚申塚とは、集落に役病や魔物が入るのを防ぐもので、
これが村で一番古い塚とのこと。
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道なりに歩いて行くと▼切久保諏訪神社(霧降宮)があります。
「七道の面」「薙鎌」などの社宝を有しています。
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霧降宮の先で、一旦、県道433号線に出て、小さな渓谷に架かる
瀬田橋の手前で、古道に分け入っていきます。
橋の下の岩場に洞窟があるようで、「おかるの穴」という嫁姑の不仲に
まつわる話が残っています。

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『おかるという名の嫁が、霧降宮にある七道の面をかぶって、姑をおどしたが
顔から面が取れなくなって、洞穴に身を隠した』と伝えられる民話です。

「おかるの穴」の案内板から続く山道を登っていくと、石の道標があります▼
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「右ゑちご 左やま道」と刻まれた落倉道標です。
明治20年頃まで、人々は物資を背負い、牛や馬の背に荷を積んで
この道を行き来しました。
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塩の道は、今も生活道路として使われている道もあれば、
開発によって消えたり、迂回した道もあります。
白馬村の塩の道も、ほとんどが舗装された道路歩きですが
自然と歴史の道としての魅力が残っています。

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晩秋の塩の道歩きは快適で、落ち葉をサクサク踏みしめながら、
紅葉のトンネルをくぐって進みます。
視界が開けて、再び433号線に出たところに駐車スペースがあります▼
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県道の向かい側に「風切地蔵」が鎮座しています▼
このお地蔵さまは、大風や悪魔・病魔の風を断ち切る力があると
言い伝えられています。
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この先で小谷村に入り、栂池高原スキー場のふもとを歩く道になります。
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「君の名は。」(3)<小海町高原美術館

 大ヒットしている新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」の展覧会が
新海監督の故郷・長野県小海町で12月25日まで開催中!

南佐久郡小海町にある高原美術館に行ってみました▼
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佐久市から山梨県の清里へと続く国道141号線をドライブして、
松原湖入口の信号から、西へ登って行った所にあります▼
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「君の名は。」展は、新海監督がコマ割りに描いた絵コンテや企画書、
作画監督によるキャラクター設定表などが展示されていました☆

小海町高原美術館のパンフレットより▼
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「こうやってアニメが描かれたのか」と、展示品に感心しただけでなく、
宇宙に近いような小海町の空に驚きました。
帰り道は、麦草峠を越えてメルヘン街道を通りましたが、
この道は、間もなく冬季通行止めになります。
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新海監督は「糸守町のモデルは?」と聞かれて、「糸守町は、ふりかえると小海町の
イメージで風景を描いていた気がします」と答えています。


美術館の近くにある松原湖にも寄りました。
冠雪前の八ヶ岳が湖面に映っています(10月25日撮影)▼
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さらにインタビューに答えて、新海監督は「湖のある町ということで、最初に
パッと考えたのは、松原湖のことです」と語っていました。

週刊新潮の記事に、老舗建築会社・新津組社長である新海監督の父の
コメントが載っていました。
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「光の描き方など綺麗ですね。
誠は小学校では、スピードスケートをやっていて、早朝5時くらいに凍った
松原湖で練習していました。」

松原湖から高原美術館へ向かう途中に見える八ヶ岳の峰々▼
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小海町から眺める八ヶ岳は、反対側の諏訪方面から見るのと
比べて、身近で親しみやすい印象☆

「君の名は。」のヒロイン・三葉の実家である神社は、岐阜県の日枝神社
や、気多若宮神社ではと言われています。

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そして、三葉と四葉が舞を踊って口噛み酒を作った神楽殿は
佐久市の新海三社神社がモデルではないかと聞き、寄ってみました▼
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監督の筆名に影響があったのか分かりませんが、新海三社神社は
佐久一の宮といわれ、粛然とした参道が拝殿に続いています。
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この日、神楽殿に幕が張られていて、映画のシーンと比較できませんが、
絵コンテの神楽殿と、軒の梁や全体の作りが似ています▼
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新海監督は雑誌「ダヴィンチ」で、「君の名は。」は『思春期の人に向けて作った
と述べています。
そして『思春期というのは、年齢で区切られるものではなくて。
まだ会ったことのない人の中に、大事な人がいるんじゃないかと
すがるように想ってしまう、その状態が思春期なのではないでしょうか。

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僕は今もその気分が抜けないですし、そこに自分が映画を作る理由が
あるとも思っています。

年齢に関係なく、誰の心にもある思春期の部分の琴線に触れるからなのか
「君の名は。」をリピートして観る人もいると聞きます。
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新海監督は、小海線の電車で佐久市の野沢北高校へ通学した
そうですが、映画に出てくる踏切は、高校近くの踏切に似ているそうです。
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国道141号線から、新海三社神社に向かう途中に見える浅間山▲

霧ケ峰<「君の名は。」2

映画「君の名は。」が、大ヒッを続けています!

ヒロインの宮水三葉が住む「糸守町」は、岐阜県の飛騨市がモデル
と言われています。

セリフが飛騨地方の方言ですし、飛騨の山奥にある架空の町という設定。
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映画の美術監督は「糸守を描くのにあたって、諏訪湖を始め▲
湖のある町の風景を参考にした」と語っています。
 
こちらは長野県岡谷市の鳥居平「やまびこ公園」から見た諏訪湖☆
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映画「君の名は。」では、糸守町のはずれの山頂に、宮水神社のご神体があり
口噛み酒を奉納しに、山道をだいぶ登っていくシーンがありました。


2400年前の隕石で出来たという、クレーター状のご神体を見て、
霧ケ峰高原の湿地帯に似ているなと思いました▼
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ビーナスラインから霧ケ峰スキー場の南に行った所にある
池のくるみ」踊場湿原です▲
背景にある八ヶ岳の向こう側に、新海監督の出身地・南佐久郡
小海町があります。
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宮水神社には、記録は焼失したものの、「口噛み酒をご神体に奉納する
しきたりが、受け継がれている」という設定でした。
それは、あたかも三葉の一族が、糸守町に千年に一度やってくる、
隕石による壊滅から町を救うためかのようです。0791021.jpg
三葉と瀧君は、3年の時間軸が交差するご神体の山頂を目指します。

口噛み酒を飲んだ瀧君の体は、三葉と入れ替わりが起きて
住民の避難活動に献身するのです。
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八ヶ岳の右手に富士山がそびえ、さらに南アルプスへと山並みが続きます▲

町長である三葉の父は、瀧君に入れ替わった三葉を目の当たりにして
妻が亡くなった意味、町の危機を理解して避難を決意したのかもしれません。
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もう1ヶ所、霧ケ峰の八島ヶ原湿原も、ご神体のクレーターに似ています。
霧ケ峰からビーナスラインで美ヶ原方面へ行く途中にある湿原です▼
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糸守町を守る氏神のような三葉と、何物にも縛られない東京に暮らす瀧君が
数千年の時を経て再会するという物語として観ることもできそうです。

死をも意味する隕石が、あれほど美しいのは、彗星が落ちることで
三葉と瀧君が運命の再会をすることができたからなのか‥
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八島ヶ原湿原から、松本に帰る途中、ビーナスラインから諏訪湖が見えました▼

映画「君の名は。」のように、自転車で登って来れる距離ではないですが
位置的には、ご神体から糸守町を見下ろすかっこうです。
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NHKのテレビ番組「SWITCHインタビュー」を見たら、深海監督は子供の頃から
風景画を描くのが好きで、特に雲の絵が得意だったと答えていました。
霧ケ峰は、絵になる雲が湧く、雲の名所のような高原です。
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諏訪と言うと、公開中の映画「バースデーカード」は、諏訪地方が
主な舞台で、霧ケ峰にでかけるシーンもあるようです。

宮崎あおいさんと橋本愛さんが親子役を演じ、亡くなった母から届く
バースデーカードに支えられて成長していく娘を描いた作品☆

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諏訪湖周辺の風景を、ぜひ映画で見てみたいです!

「君の名は。」聖地巡礼(1)

 アニメ映画「君の名は。」が、大ヒット上映中!
ファンの間では舞台を訪ねる「聖地巡礼」も盛んです。

ヒロインの三葉(みつは)が住む架空の「糸守町」にある湖は、諏訪湖が
モデルではないか?と、話題になりました。

松本市から諏訪に行く国道20号線沿いにも、諏訪湖が一望できる
スポットが幾つかあります。
その一つ、「塩嶺御野立(えんれいおのだち)公園」に寄りました▼
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松本盆地と諏訪盆地を隔てる「塩尻峠」にある公園で、
南に諏訪湖を一望し、遠くに富士山が左へ裾野を広げています▼
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左の南東側に八ヶ岳連峰▼南西側に南アルプスを見渡すことができます。
正面に広がる町が岡谷市街地で、左手(東側)は下諏訪町になります。
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下諏訪町には諏訪大社・下社があります▼
諏訪大明神の、もともとの姿は水の神である龍であると言われています。

「君の名は。」の瀧くんは、三ずいに龍と書き、三葉の宮水神社にも水の字が
入っているので、その点でも、二人はカタワレなのかも‥
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糸守町の湖は、およそ1200年前に落ちた彗星によって出来たという設定でした。
諏訪湖は、糸魚川・静岡構造線の断層運動によってできた断層湖です。
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アニメ「君の名は。」のテレビCMを初めて見た時、「立石公園からの眺めに▲
似た風景だな」と思いました。

先月、巡礼に来た男性が、立石公園のすべり台で骨折した事故があり
現在、すべり台は使用禁止中▼
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三葉の祖母・一葉(ひとは)は、宮水神社の神主で、組紐の機織りをしています。

映画「君の名は。」のテーマの一つは、組ひものような命のムスビでしょうか。
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3年前に三葉が手渡した組紐は、運命を変え、命をムスビ
再会を求めて常世と黄泉の交差する御神体を目指します。
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特に、瀧くんが口噛み酒を飲んだ後の映像に、感動しました!

カタワレ情報をより合って、DNAの螺旋を作るようなヒモが現れ
へその緒が切れることで命が誕生し、再生します。
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三葉の母は二葉(ふたは)という名前と知って、連想したのは、
立石公園に行く途中にある諏訪二葉高校▼
二葉の地名が影響を与えた訳ではないでしょうが、三葉の通う高校に
似たような高台のグランドです。

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映画「君の名は。」鑑賞中は、「あの大震災直前に戻って、高台の学校へ避難させ、大勢の
命が救われているパラレルワールドがあったら‥」と想わせてくれるひと時でした。
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信濃大町<塩の道(14)

台風が次々とやってきて、今年のシルバーウィークは、天候の優れない日が続きました。
塩の道「千国街道」を、途切れ途切れに歩いて1年になりますが、
お彼岸の頃、そぼ降る雨の大町市街を歩きました。

JR大糸線・信濃大町駅の北の踏切を渡り、五日町の角を博物館通りで左折▼
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荷継の宿場町として栄えた大町の塩問屋だった平林家を
博物館にした、「塩の道ちょうじや」という建物があります▼ 
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午後4時に、日本海の生魚を積んで糸魚川を出発し、翌日午後4時か、翌々日の
朝7時に大町まで届ける、「大急」という便がありました。

大急便は、大町で人夫を交替し、午後5時に出発して、翌朝7時に
松本に荷を届けました。
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塩魚は3~4日かけて大町に運ぶ便がありました。
塩などの保存のきく荷物は、糸魚川から5~6日かけて、大町にやってきました。
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明治時代に改築されたままの母屋は、高い天井の梁組が見事で
2階には塩の道に関する資料が展示されています。
写真撮影OKということなので、館内を撮りました。
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麻や塩の問屋で、味噌や醤油も作っていた商家の帳場が残っています▲
塩や荷物を運ぶ牛方・馬方や旅芸人、托鉢僧をはじめ庶民が歩く道でした。
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塩荷を店前で牛馬の背から下ろし、大八車に積み替えて、奥の塩蔵
まで運びました▼
その塩はほとんど粗塩で、湿気を吸って苦汁(にがり)の液が出ました。
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塩の入れ物は、俵や定型のカマスを使い、塩荷を積む場所には、「苦汁だめ」
の仕掛けが残っています。
味噌・醤油、さらに漬物を作っていた当時の、漬物蔵もあります▼
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館内では各種企画展が開催され、現在、華道家・假屋崎省吾さんの花が展示されています!
「ボッカ(歩荷)の衣装を着てみよう」、というコーナーもありました▼
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戦国時代、上杉謙信と武田信玄が川中島で戦っていたころ、山国信濃は塩の流入を
止められ苦しんでいました。
これを知った謙信は、「戦いは弓矢でするもの」と言って塩を送りました。

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新年、大町に塩が届いた時、盛大に塩市を開いたと伝えられます。

塩はやがて飴に変わり、市神様が祭られ▲縁起物やだるま、福飴などが売られます☆
塩の道ちょうじやを後にして、国道147号線沿いの大町アーケードを歩きます。
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大町は、女子バドミントン選手・奥原希望(のぞみ)選手の出身地で、あちこちに▲
「リオ・オリンピック銅メダルおめでとう」というポスターが貼られていました。

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大町には湧水があり、商店街の西側は、「男清水(おとこみず)」▲
東側は「女清水」が、町を潤しています。
九日町の町屋風景▼
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道が分かれる「大黒町追分」に庚申塔があり、「右 善光寺道」と刻まれています▲

その先に、江戸時代末期に建立された大黒天の石像があります。
大黒天と並んでシダレ桜があり、こちらは今年4月17日に撮った写真▼
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