常念坊の民話<常念岳登山(2)

 8月は夏山登山の季節ですが、北アルプス方面は厚い雲が垂れこめて
天候不順が続いています。

青空広がった日に、信州・安曇野のシンボル的な山である常念岳に登りました。
登って行くうちに霧が立ち込めてきて、稜線から見えるはずの槍ヶ岳・穂高連峰
雲の帽子をかぶって隠れていました▼
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常念岳の名前の由来は、『常念坊という修験者が登った』など、色んな説があります。

『山麓にある満願寺で、常に念仏を唱えていた坊さんからとった』とか、
『昔話の八面大王が、坂上田村麻呂に退治されて、家来の常念坊が
この山に逃げて、雪形が常念坊の姿に現れた』といった言い伝えもあります。
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登りつつ振り返ると、赤い屋根の常念小屋の向こうに横通岳がそびえています▲

もう一つ、安曇野の成相新田という町に伝わる、常念坊の民話をご紹介します。
‥昔々、年の暮れの市が開かれる頃になると、市の酒屋に酒を
買いに来るお坊さんがいました。

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お坊さんは酒屋で5合入りの徳利(とっくり)に「酒を2升入れておくれ」と言いました。

酒屋さんが「入るはずがありません」と言っても聞きません。
仕方なく升で計って入れてみると、驚いたことに2升の酒が入ったのです!
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その後も、お坊さんは時々あらわれて、お酒を買っていきました。
不思議なのは、その徳利には2升と言えば2升、5升と言えば5升の酒が入りました。

ある年に、お坊さんは酒代の代わりに松を2本差し出して、「神棚に飾れば
商売繁盛するでしょう」と言って姿を消しました。

山を下る頃、東の空が晴れてきて安曇野を見下ろすことができました▼
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酒屋さんはその松を、正月のしめ飾りと一緒に神棚にかざりました。
すると、その年の暮も正月も、店は大繁盛しました。

市の人たちは、『お坊さんは何者だったのか』と噂話をしました。
「あれはきっと、山姥か、常念岳に住む常念坊だろう」ということになりました。
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といのも、田植えの頃になると、常念岳の雪が解けて▲徳利を持ったお坊さんが
雪形になって見えるからです。
この辺りの家々では、正月になると神棚に松と徳利を置くようになりましたとさ‥

上の写真はフジの花が見頃の2014年5月9日撮影で、赤線で囲った部分が
常念坊の雪形です。
常念岳登山道で見かけた花々▼
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この「常念坊」の話は、「山姥伝説」や「恵比寿様」の伝承と似た部分があります。

山姥(やまんば)は、山の奥に住むという老女の妖怪です。
もともとは、山姥が安曇野の年末の市にやって来て、支払った銭には福がある
という言い伝えがありました。
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山姥が常念坊に変わったのは、それほど昔ではなく、山の風景を鑑賞する
ようになり、雪形が注目されるようになってからのようです。

松本市梓川にある梓水苑には、常念坊▼の木彫りがあります☆
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田んぼの稲が実り始めた安曇野から、「あの3角の上に登ったんだなあ」と▲
常念岳をしみじみ眺めました。
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